こんにちは。セカイニオクル、運営者の「アキ」です。
このブログ「セカイニオクル」は、海外転勤・留学・国際発送の3つのテーマで、日本から海外への荷物の送り方・生活準備に関する情報をまとめたサイトです。
📌 セカイニオクルでわかること
「海外赴任が決まった。買ったばかりのテレビ、持って行けないかな」「海外に住む家族に日本のテレビを送ってあげたい」。そう考えて調べ始めた方に、最初にお伝えしたい意外な事実があります。テレビの海外行きで最初に立ちはだかるのは、実は送料でもサイズでもなく、「届いても映らないかもしれない」という壁なんです。
日本の地上デジタル放送は日本発の方式(ISDB-T)で、総務省によるとこの方式を採用しているのは20か国(2023年3月時点)。ブラジルなど中南米とフィリピンが中心で、アメリカやヨーロッパ、中国といった主要な赴任先は別の方式です。つまり日本のテレビを持って行っても、内蔵チューナーでは現地の地上波が受信できません。それでも、ネット動画やゲームのモニターとして使うなら話は別。用途さえ整理すれば、送る価値は十分あります。
この記事では、現行テレビの公式梱包サイズと国際郵便の上限を突き合わせて「何型までなら郵便で送れるのか」の境界線を数字で引き、映る・映らないの仕組み、割らない梱包、そして大型テレビの現実的な送り方までまとめて解説します。読み終わる頃には、あなたのテレビを送るべきか、どのルートで送るべきかがはっきりしているはずですよ。
📋 この記事でわかること
- 郵便で送れる境界線は32型と43型の間──公式梱包サイズ×EMS上限の突合
- 「届いても映らない」放送方式の壁と、モニター用途という活路
- 中古家電に関わるバーゼル条約・通電検査の要件
- 海外引越便・発送代行など、大型テレビが海外へ届く現実のルート
テレビの海外への発送は映らない壁に要注意
最初のH2では、送る前に知っておくべき4つの壁──サイズ・放送方式・電圧・中古家電規制──を一次情報で整理します。テレビは「送れるかどうか」と「送る意味があるかどうか」を両方確認してから動くべき、ちょっと特殊な荷物なんです。
郵便で送れるかはサイズの突合で決まる
まずは物理の話から。国際郵便(EMS・国際小包)には国ごとにサイズの上限があり、代表的な国はこうなっています。長さの上限と、「長さ+横周(長さ以外の2辺の合計×2)」の上限の2本立てです。
| 宛先 | 長さ上限 | 長さ+横周 | 重量上限 |
|---|---|---|---|
| アメリカ | 1.5m | 2.75m | 30kg |
| オーストラリア | 1.05m | 3m | 20kg |
| ドイツ | 1.05m | 2m | 30kg |
32型と43型の間に境界線がある
ここに現行テレビの公式梱包サイズを当ててみます。ソニーの現行32型ブラビア(K-32W840)の梱包サイズは81.8×49.8×12.8cm・梱包時質量7kg。長さ+横周を計算すると81.8+(49.8+12.8)×2=207.0cmです。アメリカ(2.75m)とオーストラリア(3m)はクリア、ドイツ(2m)は7cmオーバーでアウト。一方、43型(KJ-43X80L)は梱包107.2×69.9×14.3cmで、長さ+横周は275.6cm。アメリカの上限2.75mをわずか0.6cm超えて全滅です。長さ107.2cmの時点でオーストラリアとドイツの1.05mも超えています。55型(梱包135.0×83.9×16.2cm)に至っては335.2cmで問答無用。つまり、郵便で送れるテレビの境界線は「32型と43型の間」に引かれている、と覚えてください。数センチの差が国境線になる世界です。
注意したいのは、この数字が「メーカー純正の元箱」の寸法だということです。元箱を処分してしまい、自前の箱や梱包業者の汎用箱で包むと、緩衝材のぶんだけ一回り大きくなり、ぎりぎりの32型でも上限を超える可能性があります。だからこそ、送る予定が少しでもあるなら元箱は捨てないこと。そして判定は必ず「梱包が終わった状態の実測値」で行ってください。メジャーで長さと、長さ以外の2辺を測って2倍して足す。この5分の作業が、窓口での門前払いを防ぎます。宛先国ごとの上限は日本郵便の国・地域別ページで最新の数値を確認しましょう。
こわれもの扱いがない国際郵便
サイズが通ったとしても、もうひとつ知っておくべきことがあります。日本郵便の公式Q&Aには「国際郵便ではその性質上『こわれもの』扱いはございません。内容品が壊れないよう、十分な包装をお願いします」と明記されています。国内宅配便のような「こわれもの」「天地無用」の指定は存在せず、割れないようにするのは100%差出人の梱包次第。ガラスと薄いパネルの塊であるテレビにとって、これはかなり重い前提です。国内でテレビを送るときの感覚──「われもの注意のシールを貼っておけば丁寧に扱ってくれる」──は、国境を越えた瞬間に通用しなくなると考えてください。複数の国の郵便網と航空・船のコンテナを乗り継ぐ荷物に、個別の気遣いを期待する設計になっていないからです。梱包のコツは後半で詳しく解説します。
届いても映らない放送方式の壁
無事に届いたとして、次の壁が「映らない」問題です。ここを知らずに送ると、大きな置物が届くことになります。
日本方式の採用国は約20か国
日本の地上デジタル放送はISDB-Tと呼ばれる日本発の方式で、総務省の公式ページによると、この日本方式を採用しているのは20か国(2023年3月時点)。ブラジル、チリ、パラグアイなど中南米諸国と、ASEANで唯一のフィリピンなどが採用しています。裏を返せば、それ以外の国──アメリカ、ヨーロッパ各国、中国、韓国、オーストラリアなど、海外赴任の主要な行き先のほとんど──は別方式で、日本のテレビに内蔵された地デジチューナーでは現地の地上波を受信できません。アンテナをつないでチャンネルスキャンをかけても、何も出てこないんです。日本のB-CAS/ACAS前提の仕組みも国内専用なので、「日本のテレビで現地の放送を見る」は基本的に成立しない、が正解です。
ネット動画のモニターなら活路
「じゃあ送る意味がないのか」というと、そうではありません。いまのテレビの使われ方を考えてみてください。YouTube、Netflix、ゲーム機、パソコンの外部モニター──HDMI入力とネット接続で完結する用途なら、放送方式は一切関係ありません。日本のスマートテレビは海外のWi-Fiにつないでも動画アプリが動きますし(サービス側の地域制限は別途あります)、ゲーム機をHDMIでつなげば立派なゲーミングモニターです。実際、海外在住の日本人家庭では「テレビ=地上波を見る箱」ではなく「大画面モニター」として使うのが主流。用途をここに割り切れるなら、日本のテレビを送る価値はちゃんとあります。
さらに言えば、テレビ側のアプリが現地で使いにくくても、ストリーミング端末をHDMIに挿せば解決することがほとんどです。現地で買った端末なら現地のサービスに最適化されていますし、日本語のインターフェースで使い慣れた画面をそのまま持ち込める安心感は、慣れない海外生活では想像以上に効きます。子どもがいる家庭なら、日本語の動画コンテンツを大画面で見られる環境は日本語維持の強い味方。「映らないから置いていく」と即断する前に、我が家のテレビの使われ方を1週間観察してみてください。地上波を見ている時間が案外短いことに気づくはずです。
電圧と周辺機器の落とし穴
3つ目の壁が電源です。日本のコンセントは100Vですが、海外は220〜240Vなど100Vより高い電圧の国が多数派。日本国内向けのテレビは100V設計が基本で(機種により異なります)、海外の電圧に直挿しすると故障や発煙の危険があります。現地で使うには変圧器が必要になりますが、テレビは消費電力がそれなりにあるため、容量(ワット数)に余裕のある変圧器を選ばないといけません。このあたりの考え方は炊飯器と変圧器の関係を整理した記事と同じ構図です。あわせて、レコーダーやチューナーなど日本の放送前提の周辺機器は現地では役割を失うので、持って行くものはHDMI機器(ゲーム機・ストリーミング端末)中心に絞るのが賢い選択。ちなみにリモコンは赤外線やBluetoothなので、そのまま使えます。忘れずに同梱してください。
変圧器を選ぶときの目安は、テレビの消費電力表示(背面ラベルや仕様表のW数)に対して余裕を持った容量を選ぶこと。ぎりぎりの容量で常用すると変圧器が発熱し、寿命も縮みます。また、変圧器は意外と重くて場所を取るうえ、テレビの裏に常設することになるので、「コンセントを挿すたびに気を使う生活」が続くことは覚悟しておきましょう。プラグの形状も国によって違うため、変換プラグもセットで必要です。このひと手間を天秤にかけて、「現地で現地向けのテレビを買う」という選択肢と比較するのも全然アリ。それでも日本のテレビを持って行く価値があるかは、次の費用の章の考え方で判断できます。
中古家電はバーゼル条約の対象
4つ目は意外と知られていない規制の壁です。使用済みの電気・電子機器の国境を越えた移動は、有害廃棄物の輸出入を規制するバーゼル条約の枠組みに関わります。発送代行ポチロジを運営するビィ・フォアードのコラムでも「冷蔵庫・テレビ・炊飯器など、使用済み電気・電子機器の輸出は、バーゼル条約によって制限されています」と明記されており、中古品を送るには「破損や傷、汚れがないことや、通電検査をして正常に作動すること」といった要件を満たす必要があります。要するに、「壊れたテレビ」「動くか分からないテレビ」は廃棄物とみなされて送れない可能性が高いということ。逆に、正常に動作する状態の良いテレビや新品未開封品なら、必要な確認を経て送れる余地があります。ここの判定は個人では難しいので、後述のとおり発送のプロに状態を伝えて確認してもらうのが確実です。
実務的な準備としては、発送前にテレビの状態を記録しておくことをおすすめします。電源を入れて画面が正常に映っている写真、外装の各面の写真、型番ラベルの写真。この3点セットがあれば、「正常に作動する中古品」であることを業者にも税関にも示しやすく、万一輸送中に破損した場合の保険請求でも「発送時は無傷だった」証拠になります。スマホで5分あれば撮れる保険です。逆に、画面に線が入っている、電源が入らないといった不具合のあるテレビは、そもそも輸出のハードルが高いうえ送料を掛ける価値も薄いので、日本で家電リサイクルに出すのが正解です。
液晶パネルは衝撃と圧力に弱い
最後の壁は、テレビそのものの繊細さです。液晶や有機ELのパネルは、点の衝撃(角をぶつける)にも面の圧力(上に荷物が載る)にも弱く、外装に傷ひとつなくても内部でパネルが割れて映らなくなることがあります。そして前述のとおり、国際郵便にこわれもの指定はありません。船や飛行機のコンテナの中では、あなたの箱の上に他の荷物が積まれる前提で考える必要があります。パネルが割れた場合、修理費は新品購入と大差ないことが多く、事実上の全損。だからこそ、輸送保険を申告価格ベースでしっかり掛けておくことと、次の章で解説する「立てて・面で守る」梱包が、テレビ発送の生命線になります。
テレビを海外へ発送する手順と現実のルート
後半のH2は実践編です。32型以下なら郵便、赴任なら海外引越便、大型単品や状態確認が必要なら発送代行──サイズと状況で最適ルートが変わります。順番に見ていきましょう。
小型テレビを郵便で送る手順
32型以下の小型テレビで、宛先国のサイズ上限に収まるなら、EMSや国際小包が使えます。手順はシンプルで、①梱包後の3辺を実測して宛先国の上限(長さ・長さ+横周・重量)と突合→②日本郵便の国・地域別情報で禁制品と条件を確認→③国際郵便マイページでラベルとインボイスを作成→④窓口へ、という流れです。申告品名は「Used LCD TV (32-inch), for personal use」のように型と用途がわかる形で、価格は実勢価格を正直に。ここで嘘をつくと保険が実質無効になります。元箱(購入時の箱)が残っているなら必ず使ってください。パネルを守る発泡材が専用設計されているため、そのへんの段ボールとは保護力が段違いです。元箱がない場合は、次の梱包のコツの章を参考に二重箱を組んでください。なお、リチウム電池のような品目規制はテレビ本体にはありませんが、まとめて送る周辺機器(サウンドバーのワイヤレスサブウーファー等に電池が入るケース)には注意が必要です。
EMSなら追跡番号で配達状況を追え、損害賠償制度もあります。ただし賠償は申告内容と実損の証明が前提なので、先ほどの発送前写真と、購入時の価格がわかる記録(レシート・注文履歴)を残しておくこと。保険(保険付とする場合の追加料金)も申告価格に合わせて設定します。あとは受取人側に「大きい箱が届くこと」「立てて保管してほしいこと」「開封時はカッターを深く入れないこと」を伝えておくと、最後の1メートルでの事故も防げます。せっかく海を渡ったテレビが、開封のカッターでパネルを傷つけられたら泣くに泣けませんからね。
海外引越便でまとめて送る
海外赴任・移住でテレビを持って行くなら、単品で送るより海外引越便の荷物に含めるのが定番です。引越業者は船便コンテナでの家財輸送に慣れており、テレビは専用の梱包資材でプロが梱包してくれます。43型以上の大型テレビを個人が安全に送る手段としては、実質これが第一候補。費用は荷物全体の容積で決まるため、テレビ1台を追加しても総額が大きく跳ねないことが多いのもメリットです。到着まで1〜2か月かかる船便が基本なので、赴任直後から使いたい場合は先に現地で最低限の環境を整える段取りも考えておきましょう。会社負担の引越枠がある方は、テレビが枠内に収まるか、パネル破損時の保険条件がどうなっているかを早めに確認しておくと安心です。
引越便を使う場合でも、この記事の前半で整理した「映るか・使えるか」の確認は自分の仕事です。引越業者は運ぶプロですが、赴任先でそのテレビが役に立つかまでは教えてくれません。船便の1〜2か月を待つ間の「テレビなし生活」をどうするか、現地で買い足すもの(ストリーミング端末・変圧器・変換プラグ)を日本で準備するか現地調達するか──このあたりを出発前にリスト化しておくと、到着後の立ち上がりがスムーズです。
ポチロジなど発送代行に任せる
「引越しではないけれど、43型を家族に送りたい」「中古だけど状態は良い。送れるか判断してほしい」──そんな引越便と郵便の隙間を埋めるのが、個人向けの発送代行です。ポチロジは中古車輸出大手ビィ・フォアードグループのサービスで、料金表ベースで世界229の国・地域をカバー。小さな荷物から家具・家電、バイクまで、国際航空輸送や自社コンテナ混載など荷物に合わせた輸送手段を提案してくれます。テレビについては前述のとおり、運営元自身がコラムでバーゼル条約や通電検査の要件を解説しているくらいなので、「この状態のテレビは送れるのか」という一番悩ましい判定を、実務を知るプロに事前確認できるのが最大の価値です。輸出書類の作成や通関手続きも任せられるため、大きくて割れやすくて規制も絡むテレビのような荷物こそ、相談から入る価値があります。サービスの実際の評判はポチロジの評判記事にまとめています。
問い合わせのコツ
問い合わせは無料なので、見積もり材料を揃えて具体的に書くのがコツです。「43型液晶テレビ1台(型番〇〇、梱包後107×70×15cm・約14kg)を〇〇国へ送りたい。2年使用・動作正常・目立つ傷なし・元箱あり。リモコンとスタンド同梱希望」──ここまで書けば、発送可否と概算の回答が早く返ってきます。ポイントは、状態(動作・傷)とサイズ・重量を先に出すこと。この記事で見てきた「中古家電は状態がすべて」という前提を、そのまま伝える形ですね。回答を他のルートと比較する材料にしても、もちろん問題ありません。なお、フリマやオークションで海外の買い手にテレビが売れたケースも同じ流れでOKです。取引を確定させる前に送料の見積もりを取り、買い手に現地の関税負担を伝えておく。この順番さえ守れば、「送料が売値を超えていた」という悲劇を防げます。
割らない梱包のコツ
こわれもの指定がない世界でテレビを守れるのは、梱包だけです。押さえるべき原則は2つ。
立てて送るのが大原則
テレビは平置き厳禁です。パネルを上や下に向けて寝かせると、自重と上に載る荷物の圧力がそのまま面にかかり、割れの最大原因になります。輸送中は必ず「立てた状態」を保てる梱包にすること。箱の外側に矢印などで天地がわかる表示を書き、箱の形自体を「立てる以外に置きようがない」薄型に保つのが実務的なテクニックです。スタンドは外して別に包み、ネジは小袋にまとめて本体と同梱。付属品をパネルと同じ空間に入れて暴れさせるのは厳禁です。ケーブル類やリモコンは緩衝材で包んだうえで、パネルの背面側(基板やスタンド取付部のある頑丈な側)に固定するか、別の小箱に分けて同梱しましょう。
もし引越しでテレビ用の梱包資材を手配できるなら、引越業者が使うテレビ専用のカバーや薄型ボックスが理想です。自作する場合も考え方は同じで、「パネルの面に何も触れない・箱の中で1ミリも動かない・立てた姿勢が崩れない」の3条件を満たせば合格。逆にこの3つのどれかが欠けた梱包は、どれだけテープを巻いても運任せになります。
二重箱で画面の面を守る
元箱がある場合も、国際輸送ならその外にもう一回り大きい箱を重ねる二重箱が安心です。画面の前面には外箱のへこみが直接届かないよう、パネル全面をカバーする板(薄いベニヤや厚手の段ボール2枚重ね)を当ててから緩衝材で包むと、面の保護力が大きく上がります。外箱との隙間はエアキャップや発泡材で埋め、箱を揺すっても中が動かない状態が完成形。湿気対策に乾燥剤を入れ、本体はビニールで包んでおくと、船便の湿度からも守れます。ここまでやっても万一はゼロにならないので、繰り返しになりますが輸送保険はケチらないでください。
費用の考え方と正直な比較
費用は正直にお伝えします。32型クラス(梱包後7kg)を郵便で送る場合、EMSの7kg料金はヨーロッパ・オセアニアなどの第3地帯で17,200円、アメリカ(第4地帯)で19,900円。サイズが通る国なら、テレビ1台だけを送るならEMSが素直な選択です。一方、テレビと一緒に周辺機器や生活用品もまとめて送るなら話が変わります。10kgならEMSは第3地帯23,500円・アメリカ27,100円に対しポチロジは第3地帯17,786円、15kgならEMS34,000円・39,100円に対し22,985円。まとめ送りの重量帯では1万円以上の差がつきます(アメリカ宛の郵便は現在条件付き引受の運用が続いており、状況が変わりやすい点にも注意)。そして43型以上はそもそも郵便に載らないため、比較の土俵は引越便か発送代行の見積もり同士。「サイズが通るか」→「単品かまとめてか」の順で考えると、最安ルートを外しません。
そして最後にもうひとつ、正直な問いを。そのテレビ、現地で買い直したほうが安くないですか? 海外でも同等サイズのテレビは普通に買えますし、現地方式のチューナーが付いているぶん使い道も広い。それでも日本のテレビを送る価値があるのは、①まだ新しくて性能に対して送料が十分安い、②日本語インターフェースと使い慣れた環境に価値を感じる、③引越便の枠に載せられて追加費用がほぼない、のいずれかに当てはまる場合です。逆にどれにも当てはまらないなら、日本で売却して現地で買うほうが合理的。この損益分岐を判断するためにも、見積もりの実数を先に握ることが大事なんです。感覚ではなく数字で決めましょう。
よくある質問
最後に、テレビの海外行きでよくある質問をまとめます。
Q1. ゲーム機のモニター用に持って行きたい。問題ない?
A. 用途としては一番相性が良いパターンです。HDMI接続なので放送方式の壁は関係ありません。電圧対応(変圧器の容量)だけ確認してください。ゲーム機側の電源も同様に確認を。パソコンやモニター類の発送はパソコンを中国へ送る記事でも詳しく扱っています。
Q2. 有機ELテレビも同じ考え方でいい?
A. サイズ・方式・電圧の考え方は同じです。ただし有機ELはパネルがさらに薄く、大型モデルが中心なので、実質的に郵便の選択肢はなく、引越便か発送代行での丁寧な梱包が前提になります。パネル交換費用も液晶より高額になりがちなので、輸送保険の金額設定は特に慎重に。発送前の動作写真も必ず残しておきましょう。
Q3. チューナーレステレビやPCモニターなら壁はない?
A. 放送方式の壁はもともと関係ないので、サイズ・電圧・梱包の3点だけ考えればOKです。ACアダプター式のモニターなら100-240V対応の場合もあり、アダプターの表記を確認してみてください(本体・機種によります)。
Q4. 海外で日本のテレビ番組は見られる?
A. 日本の放送をそのまま受信することはできません。各配信サービスの海外からの視聴可否は、サービスごとの提供地域・規約次第です。渡航前に、見たいサービスが現地で使えるかを公式情報で確認しておきましょう。
Q5. 受取国で関税はかかる?
A. 多くの国で、受取人に関税や付加価値税が発生しえます。中古品でも申告価格(実勢価格)ベースで課税されるのが基本です。贈り物でも免税枠を超えれば課税対象になるので、受取人に事前に伝えておくとトラブルを防げます。免税枠や税率は国ごとに大きく違うため、高価なテレビを送る場合は、受取国税関の公式情報か発送代行への問い合わせで事前に確認しておくのが安全です。
Q6. 海外に持って行ったテレビの保証は?
A. 日本国内向けモデルの保証は国内での使用が前提で、海外での使用は各メーカーとも動作保証やサポートの対象外とするのが一般的です。故障しても現地のメーカー拠点では修理を受けられないと考えて、送る前に「壊れたら買い替え」と割り切れるかも判断材料にしてください。
まとめ:テレビの海外への発送は用途の確認から
長くなったので、この記事の要点を5つに整理します。
- 郵便で送れる境界線は32型と43型の間。32型(梱包207cm)は米豪OK・独NG、43型(275.6cm)は米上限2.75mを0.6cm超えて全滅
- 日本方式(ISDB-T)採用は20か国(2023年3月時点・総務省)。主要赴任先では地上波は映らないが、ネット動画・ゲームのモニター用途なら活路がある
- 日本のテレビは100V設計が基本。海外で使うには容量に余裕のある変圧器が必要で、メーカー保証は対象外が一般的
- 使用済み家電はバーゼル条約の枠組みで通電検査・状態要件あり。国際郵便にこわれもの扱いはなく、立てて・面で守る二重梱包と輸送保険が生命線
- 単品32型はEMS(第3地帯7kgで17,200円)、赴任は引越便、大型・中古の判定込みならポチロジなど発送代行に無料相談が現実解
テレビの海外行きは、「送れるか」より先に「向こうで何に使うか」を決めると、すべての判断が一気に楽になります。モニターとして使うと決めたら、サイズを測り、状態を整理して、無料相談や見積もりで実数を握る。32型以下なら郵便という最短ルートがあり、大きくても引越便と発送代行という受け皿がある。「テレビは海外に送れない」わけではなく、「正しい順番で確認すれば送れる」荷物です。日本で毎晩向き合っていた画面が、海の向こうの新生活でも家族の中心になってくれますように。
なお、この記事の規制・料金・サイズの情報は執筆時点の公式情報に基づく一般的な目安です。EMSの国別条件や料金、各国の輸入規制、各サービスの仕様は変更されることがあるため、正確な情報は日本郵便・総務省・各サービスの公式情報をご確認のうえ、最終的な判断は各窓口にご相談ください。


