こんにちは。セカイニオクル、運営者の「アキ」です。
このブログ「セカイニオクル」は、海外転勤・留学・国際発送の3つのテーマで、日本から海外への荷物の送り方・生活準備に関する情報をまとめたサイトです。
📌 セカイニオクルでわかること
アメリカに住む家族へ荷物を送ろうと郵便局のサイトを開いたら、「Zonos社のアプリで関税を事前に支払ってください」という案内が出てきた。あるいは、ヨーロッパ宛ての発送条件を調べていたら、ここにもZonosという名前が出てきた。聞いたことのない会社のアプリに、クレジットカードの番号を入れて関税を払う——本当に自分の荷物にも必要なのだろうか、と手が止まるところです。
先に安心材料をお伝えすると、Zonosが必要になる荷物は限られています。家族や友人への贈り物の多くは、これまでどおりの方法で送れます。この記事では、日本郵便が公開している条件表と操作マニュアル、Zonos社の公式ドキュメントを突き合わせて、自分の荷物にZonosが要るのか要らないのかを、宛先・荷物の種類・金額の3つで判定できるように整理しました。必要だった場合の手順と、つまずきやすい点もあわせて確認していきます。
📋 この記事でわかること
- 自分の荷物にZonosが要るか要らないかの判定のしかた
- アメリカ宛てとEU宛てで違う条件と、EUの国別の可否
- アプリの登録から郵便局での差し出しまでの流れ
- 手数料の内訳と、手続きでつまずきやすい点
⏱ 先に結論
アメリカ宛ては、100ドル以下の個人間の贈り物と書類ならZonosは不要です。100ドルを超えて2,500ドル以下の荷物は、贈り物でもZonosでの関税の事前支払いが必要になります。EU宛ては、個人間の贈り物ならZonosは不要です。関係があるのは、ネット販売品をIOSS制度で送る人で、国によって使える方法が分かれます。
Zonos 日本郵便で要る荷物と要らない荷物
最初に、いちばん知りたいところを片づけます。自分の荷物はZonosを使わなければいけないのか、という点です。ここは日本郵便が条件表を公開しているので、推測ではなく表のとおりに読んでいきます。
結論:贈り物の多くはアプリ不要
Zonosが必要かどうかは、宛先がアメリカかEUか、荷物が贈り物か販売品か、内容品の金額がいくらか、の3つで決まります。日本郵便の2つのお知らせ(米国宛ては2026年7月24日以降の差出条件、EU宛ては2026年10月1日更新の続報)をもとに、一覧にまとめました。
| 宛先 | 荷物の種類 | 内容品の金額 | Zonos |
|---|---|---|---|
| アメリカ | 個人間の贈り物、書状・はがき・印刷物・EMS(書類) | 100ドル以下 | 不要 |
| アメリカ | 上記以外(販売品など) | 100ドル以下 | 必要 |
| アメリカ | すべての種別(贈り物も含む) | 100ドル超〜2,500ドル以下 | 必要 |
| アメリカ | すべての種別 | 2,500ドル超 | 不要 |
| EU | 個人間の贈り物 | 45ユーロ未満は免税、45ユーロ以上は課税 | 不要 |
| EU | ネット販売品(IOSS制度を使う) | 150ユーロ未満 | 国によって必要・選択・不可に分かれる |
| EU | IOSS制度を使わない郵便物 | — | 不要(対象の32の国・地域すべてに差し出せる) |
表を眺めると、家族や友人への贈り物でZonosが必要になるのは、アメリカ宛てで100ドルを超える場合だけだと分かります。ヨーロッパ宛ての贈り物は、金額にかかわらずZonosを使う場面がありません。逆に、フリマアプリやハンドメイドの販売品を送る人は、アメリカ宛てなら少額でも対象になり、EU宛てなら国ごとの条件を確認する必要が出てきます。
「海外に送る人は全員Zonosが必要になった」わけではありません。対象は、アメリカ宛ての課税される荷物と、EU宛てでIOSS制度を使うネット販売品です。まず自分の荷物がどの行に当たるかを確かめてください。
Zonosは関税を先払いするための窓口
そもそもZonosとは何者なのか、というところから整理します。知らない会社にカード情報を渡すのは、誰でも抵抗があるものです。
きっかけはアメリカ側の制度変更でした。日本郵便のお知らせによれば、米国政府は国際郵便物で輸入する消費用物品の免税措置(デミニミス)を2025年8月29日から停止し、書類や100USドル以下の個人間の贈答品以外には関税を課すことにしました。その後、米国税関・国境警備局(CBP)は「米国宛てに国際郵便物を送る場合は、米国に郵便物が到着する前に、CBPが認証した“認証事業者(Qualified Party)”を通じて、関税などを支払わなければならない」というルールを発表しています。
つまり、郵便で届いた荷物の関税を受取人が配達時に払う、という従来の形がアメリカ宛てでは使えなくなり、送る側が出発前に払う形に変わりました。その支払い窓口になるのが認証事業者で、日本郵便は「現在、当社が推奨する認定事業者はZonos社のみとなります」と案内しています。日本郵便が名指しで案内している、関税の事前支払いサービスという位置づけです。
アプリの名前については少しややこしいので補足します。日本郵便のページでは「個人用 Prepayアプリ」、操作マニュアルでは「Zonos モバイル版」「Zonos Web版」、Zonos社の公式ページでは「Zonos アプリ」と書かれていますが、個人が使うものとしてはどれも同じサービスを指しています。スマートフォンのアプリのほかにブラウザで使えるWeb版があり、マニュアルによれば、モバイル版で作ったアカウントと同じメールアドレス・パスワードでWeb版にもログインできます。事業者向けには、CSVアップロードやAPIに対応した「大口用 ダッシュボード」が別に用意されています。
なお、日本郵便は役割の線引きもはっきり書いています。関税等の事前支払い手続きは「Zonos社と差出人さまとの間で行われるお取引」であり、日本郵便は「これらの手続きそのものには関与しておらず、当社の責任範囲は国際郵便約款に基づく業務に限られます」とのことです。EU宛てのお知らせにも「アプリ等の操作の詳細に関する質問は、アプリ等を提供しているZonos社にお問い合わせください」とあります。アプリの操作で分からないことが出てきたときの問い合わせ先は、郵便局ではなくZonos社です。
アメリカ宛ては金額と種別で決まる
アメリカ宛ては、2026年4月14日から、関税の事前支払いを条件に指定郵便局での引き受けが再開されました。現在の差出条件は2026年7月24日以降のもので、内容品の金額によって3つの段階に分かれています。
100ドル以下の贈り物はアプリ不要
日本郵便は「書類や100USドル以下の個人間の贈答品については、これまで通り免税であることから、関税の事前支払い登録を行わずに差し出すことができます」と案内しています。条件表でも、100USドル以下の「書状、はがき、印刷物、EMS(書類)」と「個人間の贈答品」は、引受局が全局(国際郵便を取り扱わない簡易郵便局を除く)、関税の事前支払いは不要、ラベルへのDDP表示も不要です。
アメリカに住む子どもや孫へのちょっとした贈り物、友人への誕生日プレゼントといった荷物は、この行に当たります。100ドル以下の贈り物なら、近所の郵便局からこれまでどおり送れるということです。
気をつけたいのは、同じ100ドル以下でも「上記以外」の行です。販売品など、書類でも個人間の贈答品でもない荷物は、100ドル以下であっても指定郵便局での差し出しになり、関税の事前支払いが必要とされています。フリマアプリで売れた品物を自分でアメリカへ送る、といったケースは金額が小さくてもこちらです。
100ドルを超えたら贈り物でも必要
内容品の金額が100USドルを超えて2,500USドル以下になると、条件表の内容品種別は「全種別」になります。贈り物かどうかは関係なく、指定郵便局での差し出し、関税の事前支払いが必要、ラベルにDDPの表示、という扱いです。
日本郵便の操作マニュアルも同じ整理をしています。アプリで内容品の種別に「贈物」を選んだ場合、100USドル以下なら「贈物であることを確認の上、アプリを使用することなく、郵便物を送ることができます」、100USドル超〜2,500USドル以下なら「『販売品等』として、アプリで、関税等の支払い及び配送ラベル作成を行います」という案内です。
入学祝いや結婚祝い、まとめて送る衣類や日用品などは、合計すると100ドルを超えやすい荷物です。贈り物だから免税、という感覚のまま窓口へ持って行くと、その場では差し出せません。先に内容品の合計額を計算しておくことが、いちばんの手戻り防止になります。
2,500ドルを超える荷物の扱い
内容品の金額が2,500USドルを超えると、今度は関税の事前支払いが不要になります。マニュアルには「内容品の価格が2,500USドルを超える場合は、米国の受取人の関税支払いとなるため、本アプリを使用することなく、郵便物を送ることができます」と書かれています。ただし引受局は指定郵便局のままです。
もうひとつ、金額の大きい荷物には日本側の手続きもあります。日本郵便は、内容品価格が20万円超(約1,250USドル超)となる場合、上記とは別に日本税関への輸出申告が必要になると注記しています。高額な荷物は、Zonosとは別の手続きが重なる点も覚えておいてください。
留学や赴任で自分宛てに送る身の回り品が「個人間の贈答品」に当たるかどうかは、日本郵便の条件表には書かれていません。Zonosのアプリで「贈物」を選ぶと、免税の対象になるかを確かめる質問が表示されます。判断に迷うときは、差し出す前に郵便局かアプリの案内で確認してください。
EU宛ては販売品かどうかで決まる
続いてヨーロッパです。日本郵便は2026年10月1日のお知らせで、EU宛てでもZonosを使う場面があることを案内しました。ただし、アメリカ宛てとは対象になる人がまったく違います。
個人間の贈り物は従来どおり送れる
前提として、EUは2026年7月1日から、内容品合計額が150ユーロ未満の免税措置を撤廃しました。日本郵便のお知らせにある表では、取引の形ごとに次のように整理されています。
- BtoC(ネット通販):150ユーロ未満は内容品ごとに3ユーロ、150ユーロ以上はEU共通税率
- CtoC(個人間の贈答品):45ユーロ未満は免税、45ユーロ以上はEU共通税率
- BtoB等(上記以外):金額にかかわらずEU共通税率
個人間の贈り物は、45ユーロ未満なら今も免税です。そして、Zonosが登場するのは「IOSS制度を利用する郵便物」の話であって、贈り物はそこに含まれません。国別の表でも「IOSS制度利用無し」の列は、対象の32の国・地域すべてが差し出し可になっています。フランスやドイツに住む家族へ贈り物を送るだけなら、Zonosのアプリは使いません。国際郵便マイページサービスなどでラベルを作る、これまでの送り方のままです。
45ユーロ以上の贈り物には関税がかかりますが、これもZonosで先払いする話ではありません。Zonos社のドキュメントも、45ユーロ未満の非商業的な贈答品はEUの関税が免除され、DAP(関税等を受取人が支払う方法)で発送されると説明しています。高価な贈り物を送るときは、受け取る側で税金の請求が発生するかもしれないことを、先にひとこと伝えておくと親切です。
販売品は内容品ごとに3ユーロ
影響が大きいのは、販売品を送る人です。ここで大事なのは、日本郵便がBtoCについて「差出人が販売する者である場合をいい、個人・法人を問いません」と書いている点です。会社でなくても、ハンドメイド作品や中古品を海外の購入者へ売って送るなら、BtoC(ネット通販)の扱いになります。
150ユーロ未満の販売品にかかる3ユーロの関税は、数え方にも注意が必要です。日本郵便は「内容品ごとに3ユーロの関税が課されます(HSコードごとではありません)」と明記しています。1つの箱に内容品が複数入っていれば、その分だけ3ユーロが積み上がる計算です。
そして、ここにIOSS制度が関わってきます。日本郵便の説明によれば、IOSS(Import One Stop Shop)制度とは、EU域内の消費者に商品(内容品合計額150ユーロ未満)を販売する事業者向けの申告制度で、販売時に事前徴収したVAT(付加価値税)を販売事業者側がEU加盟国の税務当局に納税する仕組みです。差出人が個人か法人かは問いません。IOSS制度を利用する場合は、送り状を作るときに内容品種別で「ネット販売品(通販)」を選ぶ必要があります。
このIOSS制度を使う郵便物について、関税等の支払い方法が2つに分かれました。差出人が事前に払うDDPと、受取人が払うDAPです。DDPで差し出す場合は「当社推奨の事業者(Zonos社)のアプリ等で輸入申告、関税等の事前支払いおよびラベル作成を行ってください」と案内されています。DAPの場合は、国際郵便マイページサービス等でラベルを作ります。
国によって出せる方法が違う
やっかいなのは、IOSS制度を使う郵便物について、国によって使える方法が違うことです。日本郵便は「IOSS制度を利用した郵便物を差し出すことができない国・地域があります」とも書いています。2026年10月1日のお知らせにある国別の表を、4つのグループに並べ替えました。
| IOSS制度を使う場合 | 国・地域 |
|---|---|
| 差し出せない(6) | ドイツ、オーストリア、ベルギー、チェコ、ポルトガル、レユニオン |
| DDPのみ=Zonos等が必要(8) | フランス、デンマーク、フィンランド、ルクセンブルク、モナコ、ガドループ、マルチニーク、仏領ギアナ |
| DDPとDAPのどちらも可(7) | イタリア、エストニア、オランダ、スウェーデン、スペイン、スロバキア、マルタ |
| DAPのみ=Zonosは使わない(11) | アイルランド、キプロス、ギリシャ、クロアチア、スロベニア、ハンガリー、ブルガリア、ポーランド、ラトビア、リトアニア、ルーマニア |
読み方を整理します。フランス宛てにIOSS制度を使って販売品を送るなら、方法はDDPしかないので、Zonos社のアプリ等での事前支払いが必要です。イタリアやオランダ宛てなら、先払いにするか受取人払いにするかを選べます。ポーランドやギリシャ宛ては受取人払いのみで、Zonosの出番はありません。
見落としやすいのがドイツです。ドイツ、オーストリア、ベルギーなどの6つの国・地域は、IOSS制度を使う郵便物をDDPでもDAPでも差し出せません。ただし、これは「販売品を一切送れない」という意味ではありません。同じ表の「IOSS制度利用無し」の列は、ドイツも含めて32の国・地域すべてが差し出し可です。ドイツ宛ての販売品は、IOSS制度を使わない形でなら郵便で送れる、というのが表の読み方になります。その場合は、現地での税金の扱いを購入者にあらかじめ伝えておく必要があるでしょう。
IOSS番号についても補足しておきます。Zonos社のドキュメントによれば、IOSS番号は必須ではなく、自分の番号がない150ユーロ以下のEU向けの荷物にはZonosのIOSS番号が使われ、その場合はZonosがVATを請求して納付します。一方で、自分のIOSS番号や、販売しているマーケットプレイスのIOSS番号があるのにアプリへ登録していないと、Zonos側と自分側の両方でVATを納めることになり、二重払いになると注意が書かれています。番号を持っている人は、発送前にアカウントへ追加しておいてください。
差し出す郵便局については、アメリカ宛てより条件がゆるやかです。日本郵便は「EU域内あての場合、Zonos社のアプリ等でラベル作成を行った郵便物は、国際郵便を取り扱う全ての郵便局で差し出すことが可能です」と案内しています。フランス宛ての品物ごとの規制が気になる方は、国際郵便でフランスに送れないものをまとめた記事もあわせて確認してみてください。
国別の可否は、日本郵便が続報のたびに更新しています。この記事の表は2026年10月1日のお知らせ時点のものです。実際に発送する前に、日本郵便の最新のお知らせで宛先の国を確認してください。
手数料は関税とは別にかかる
気になるのは費用でしょう。Zonosを使うと、何にいくらかかるのでしょうか。
まず、アプリのインストールとアカウントの作成は無料です。Zonos社の公式ページにも、サブスクリプション料金はかからず、荷物を発送するときにだけ支払いが発生すると書かれています。月額の固定費を心配する必要はありません。
発送のたびに払うのは、関税と手数料の2つです。日本郵便は米国宛てについて「Zonos社が定める利用料金がかかります」、EU宛てについて「Zonos社が定める手数料がかかります」と案内しています。操作マニュアルの支払い画面には内訳の説明があり、「手数料」は「通関手数料」と「為替コスト」の合計額で、通関手数料は品目ごとではなく1パッケージごととされています。
手数料の具体的な金額は、日本郵便のお知らせにもZonos社の案内ページにも一律の金額としては書かれていません。支払いの前にアプリの画面で関税額と手数料が表示されるので、そこで確認する形です。マニュアルによれば、アプリのトップ画面には試算だけをしたい人向けの「関税等の試算機能」も用意されています。荷物を詰める前に、いくらかかりそうかを見ておくことができます。
支払い方法はクレジットカードです。日本郵便のマニュアルにも「関税等のお支払い時には、クレジットカードによるお支払いが必要となります」とあります。Zonos社の案内ページによれば、支払いは日本円で処理されます。同じページには、アプリを通じて行われた関税の支払いは保証されており、差出人や受取人に追加の関税が請求されることはない、という説明もあります。受け取る家族に税金の請求が行かない形にできるのは、先払いの利点です。
そして忘れてはいけないのが、Zonosで払うのは関税と手数料だけで、郵便料金は別だという点です。EMSや国際小包の送料は、これまでどおり郵便局で支払います。アメリカ宛てに課税される荷物を送る場合の総額は、郵便料金+関税+Zonosの手数料、の3階建てになります。
アメリカ宛てでは、計算の結果として関税が0になる場合でも、手続きそのものは省けません。Zonos社のドキュメントは、関税が0であっても税関の通過に必要な申告番号(Declaration ID)は発行されるため、アプリを使う必要があると説明しています。唯一の例外が、先ほどの免税になる贈り物です。
Zonos 日本郵便の手順と迷ったときの選択肢
ここからは、Zonosが必要だと分かった人向けの実務編です。日本郵便が公開している「Zonos モバイル版」操作マニュアル(2026年10月1日版)の流れに沿って、全体像と注意点を確認します。アプリの画面はバージョンアップで変わることがあるので、実際の操作ではアプリ内の案内を優先してください。
アプリの登録から発送までの流れ
マニュアルの手順は、STEP 0からSTEP 4までの5段階です。
- アプリをインストールして、アカウントを作る
- 配送先と内容品の種別を選び、内容品を撮影して情報を確認する
- 関税等を支払う
- 配送ラベルを作成して印刷する
- 郵便局で発送する
アカウントの作成は、メールアドレスを登録して、メールで届いた確認コードを入力する形です。最初の画面で発送元に「日本郵便」を選び、配送先の国・地域と、内容品の種別を「販売品等」「贈物」「書類」「返品」から1つ選びます。米国宛てとEU諸国宛てでは、画面の進み方と操作手順が一部異なるとマニュアルに注記があります。EU宛ての場合は、この段階で差出人と受取人の情報を入力する画面が入ります。
写真を撮ると品名と価格が入る
このアプリの特徴は、内容品の入力方法です。品名を自分で打ち込むのではなく、送る品物をスマートフォンのカメラで撮影します。すると、内容品名などの情報が自動で入力されます。Zonos社の公式ページには、日本郵便での発送には写真が必須で、手動での商品情報入力はできないと書かれています。
マニュアルには、撮影時の注意も載っています。シャッター音が鳴った後も画像の読み込みが続いているので、画面が切り替わるまでは品物が映った状態のまま動かさないこと。そのあと分析中の画面で10秒程度待つ、という流れです。
自動で入った内容は、必ず自分の目で確認してください。とくに価格です。マニュアルには「内容品価格(1単位あたり)はAIが市場価格等を基に算出していますので、税関に申告すべき内容品価格に修正してください」という注意書きがあります。AIが出した価格は、あくまで仮の数字です。実際の購入額や販売額と違っていれば、関税の計算もずれてしまいます。内容品が複数あるときは、ここで追加していきます。
支払いから5日以内にラベルを作る
内容品を確認して「関税を計算する」に進むと、関税額と手数料が表示されます。金額を確認して支払えば、関税の事前支払いは完了です。
ここに期限があります。マニュアルによれば、支払後5日以内に配送ラベルを作成しない場合、支払いは自動的にキャンセルとなり、関税等の支払いは取り消されます。その場合は配送ラベルが作れなくなるので、最初からやり直しです。支払いだけ先に済ませておいて、発送は来週に、という進め方はできません。荷造りの目処が立ってから支払いに進むのが安全です。
ラベルの作成では、重量(グラム単位)の入力、内容品種別と支払条件の選択、危険物でないことの確認を行います。危険物に該当しない理由も選ぶ必要があります。確認が終わって「ラベルを作成」を押すと、配送ラベル等がPDFで表示されるので、これを印刷します。
支払ったあとで発送をやめたくなった場合は、アカウントの注文履歴から該当の注文を選び、キャンセルできます。Zonos社のドキュメントによると、郵便局の窓口で荷物が処理される前であればキャンセルして関税の返金を受けられますが、窓口での処理が完了したあとは返金できません。持ち込む前に、内容と金額をもう一度見直しておきましょう。
郵便局へ持ち込むときの注意点
ラベルを印刷したら、あとは郵便局へ持って行くだけです。ただ、ここにも見落としやすい条件が2つあります。
アメリカ宛ては指定郵便局だけ
アメリカ宛てで関税の事前支払いをした郵便物は、どの郵便局でも出せるわけではありません。条件表の引受局は「指定郵便局」です。日本郵便は指定郵便局の一覧を全国版と地域別(北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州・沖縄)で公開していて、順次拡大予定だとしています。
家のいちばん近くの郵便局が指定郵便局とは限りません。荷物を抱えて行ってから「ここでは受けられません」と言われないよう、出かける前に一覧で確認しておいてください。一方、EU宛てでZonos社のアプリ等を使ってラベルを作った郵便物は、国際郵便を取り扱うすべての郵便局で差し出せます。
窓口では、印刷した配送ラベルの上部に「DDP」と申告番号が表示されていることを確認します。マニュアルによれば、表示されていない場合は「DDP」を手書きで記載します。そのうえで、窓口でパウチ(ラベルを入れる透明の袋)を受け取り、配送ラベルを含む必要書類を入れて発送します。郵便料金はここで支払います。
マイページのラベルは使えない
普段から国際郵便を使っている人ほど引っかかりやすいのが、ラベルの作り方です。いつものように国際郵便マイページサービスでラベルを作ってしまうと、Zonosで払った関税と結びつきません。
日本郵便の説明はこうです。Zonos社では、申告番号(Declaration ID)と郵便物番号を紐づけて税関へ申告しています。このため「国際郵便マイページサービスで別のラベルを作成しても、申告番号とそのラベルの郵便物番号は連携されず」、税関へ申告することができません。そして「必ずZonos社のアプリ等を使用してラベル作成を行ってください」と念を押しています。
関税を払ったのに、ラベルを別で作ったせいで申告が通らない——これがいちばんもったいない失敗です。Zonosで支払った荷物は、ラベルもZonosで作る。ここはセットで覚えておいてください。
手続きでつまずきやすいところ
マニュアルとZonos社のドキュメントを読んでいくと、知らないと手が止まりそうな点がいくつかあります。まとめておきます。
- 住所や氏名はローマ字で入力する:Zonos社のドキュメントは、差出人と受取人の情報、配送データはすべて英語(ローマ字)で入力する必要があるとしています。漢字やひらがなは税関当局の自動システムで処理できず、通関の失敗や遅延の原因になるためです。
- 箱ごとに手続きが必要:荷物が3箱あれば、1箱ずつ内容を入力し、関税を支払い、申告番号を取得する作業を3回繰り返します。まとめて1回、という処理はできません。
- 郵便局のタブレットでは使えない:日本郵便は「郵便局のタブレットでは当アプリケーションはご利用いただけません。お客さまご自身のスマートフォンなどをご使用ください」と案内しています。窓口に着いてから手続きを始めるのではなく、家で済ませてから行く流れになります。
- ラベルを印刷する手段がいる:配送ラベルはPDFで表示されるので、印刷できる環境を用意しておく必要があります。
- 操作の質問先はZonos社:日本郵便は、アプリ等の操作の詳細に関する質問はZonos社に問い合わせるよう案内しています。Zonos社のドキュメントには、アプリに関するサポート窓口が載っています。
スマートフォンの操作に慣れている人なら、それほど難しい内容ではありません。ただ、初めてのときは、写真の撮り直しや価格の修正で思ったより時間がかかるものです。発送したい日の当日ではなく、前日までに支払いとラベルの印刷を済ませておくと、落ち着いて進められます。
品名や価格の書き方そのものに不安がある方は、海外発送インボイスのテンプレートと書き方の記事も参考になります。税関に伝える内容の考え方は、アプリを使う場合でも同じです。
郵便以外のルートで送る選択肢
ここまで読んで、「自分には少し荷が重い」と感じた方もいるかもしれません。荷物が何箱もある、近くに指定郵便局がない、ラベルを印刷する環境がない——そういうときは、郵便以外のルートを検討する余地があります。
押さえておきたいのは、Zonosのアプリや指定郵便局といった条件は、国際郵便で送る場合のものだということです。国際宅配便は通関の進め方が郵便とは別なので、この手順は当てはまりません。日本郵便自身も、お知らせの末尾で国際宅配便の「UGX(ゆうグローバルエクスプレス)」を案内しています。ただしUGXは、個人事業主を含む事業者向けの申し込み制サービスです。
個人が使いやすいのは、国際発送の代行サービスです。たとえばポチロジは、国内の指定倉庫に荷物を送れば、その後の各種書類の準備や輸出手続きを任せられるサービスです。北米宛ての税関手続きについても、公式サイトでは通常は提携業者が代行すると説明されています。自分でアプリを操作して申告内容を入力する、という作業がなくなるのが、いちばんの違いです。
ただし、誤解のないように書いておくと、ルートを変えても関税そのものがなくなるわけではありません。ポチロジの公式サイトでも、関税は原則として荷受人側の負担になると案内されています。一方で、公式サイトのよくある質問には「関税等諸費用込みの発送も可能です」とも書かれています。受取人に請求が行かない形にしたい場合は、問い合わせの際に、送り先の国と荷物の内容とあわせて「関税込みで送りたい」と伝えてください。実際に使った人の声は、ポチロジの評判を調べた記事にまとめています。
もちろん、軽い贈り物を1箱だけ送るなら、郵便局から自分で出すほうが安く済みます。100ドル以下の贈り物ならZonosも要りません。代行が向いているのは、重い・箱数が多い・手続きに時間を割けない・送れる品物かどうか自信がない、のどれかに当てはまるときです。自分の荷物がどちらなのかを見極めて選んでください。
よくある質問
検索でよく見かける疑問に、順番に答えておきます。
Q. Zonosのアプリは無料ですか。
インストールとアカウントの作成は無料で、月額の料金もありません。発送のたびに、関税とは別にZonos社が定める手数料がかかります。日本郵便のマニュアルによれば、手数料は通関手数料と為替コストの合計額で、通関手数料は1パッケージごとです。金額は支払いの前にアプリの画面で確認できます。
Q. スマートフォンがなくても使えますか。
ブラウザで使えるWeb版があります。日本郵便もWeb版の操作マニュアルを公開しています。モバイル版でアカウントを作っている場合は、同じメールアドレスとパスワードでログインできます。
Q. アメリカの家族に50ドル分のお菓子を送ります。Zonosは必要ですか。
個人間の贈り物で100USドル以下であれば、関税の事前支払いは不要です。国際郵便を取り扱う郵便局から、これまでどおり差し出せます。ただし、食品にはアメリカ側の規制が別にあるので、送れる品物かどうかは事前に確認してください。
Q. アメリカへの贈り物が150ドルになりそうです。
100USドルを超えて2,500USドル以下の荷物は、贈り物でも関税の事前支払いが必要です。Zonosのアプリで支払いとラベルの作成を済ませ、指定郵便局から差し出します。
Q. ドイツの友人にプレゼントを送ります。Zonosは必要ですか。
不要です。ドイツが差し出し不可になっているのは、IOSS制度を使うネット販売品の話です。個人間の贈り物はIOSS制度を使わない郵便物なので、これまでどおり送れます。45ユーロ未満なら免税、45ユーロ以上は関税の対象です。
Q. 関税を払ったあとでキャンセルできますか。
郵便局の窓口で荷物が処理される前なら、アカウントの注文履歴からキャンセルできます。また、支払いから5日以内に配送ラベルを作らなかった場合は、自動的にキャンセルされ、支払いは取り消されます。窓口での処理が完了したあとは返金できません。
Q. 国際郵便マイページサービスで作ったラベルを貼ってもいいですか。
使えません。申告番号と郵便物番号が連携されず、税関へ申告できなくなります。関税を事前に支払った荷物のラベルは、必ずZonos社のアプリ等で作成してください。
まとめ:Zonos 日本郵便で迷わないために
最後に、判断の順番で整理しておきます。
まず、自分の荷物が対象かどうかです。アメリカ宛ては、100ドル以下の個人間の贈り物と書類ならZonosは不要。100ドル以下でも販売品などは必要で、100ドルを超えて2,500ドル以下なら贈り物も含めて必要。2,500ドルを超えると事前支払いは不要になり、関税は受取人の支払いになります。EU宛ては、個人間の贈り物ならZonosは不要で、45ユーロ未満は免税のままです。
次に、販売品をEUへ送る人は国別の表を確認します。IOSS制度を使う場合、フランスなど8つの国・地域はDDPのみでZonos等が必要、イタリアなど7つは選択制、ポーランドなど11はDAPのみ、ドイツなど6つは差し出せません。IOSS制度を使わない郵便物なら、32の国・地域すべてに送れます。
Zonosが必要だと分かったら、家で手続きを済ませてから郵便局へ向かいます。品物を撮影し、AIが入れた価格を正しい金額に直し、関税と手数料を支払い、5日以内にラベルを作って印刷する。ラベルは国際郵便マイページサービスではなく、必ずZonosで作る。アメリカ宛てなら指定郵便局へ持って行く。この流れを守れば、窓口で差し戻されることは避けられます。
費用は、郵便料金・関税・Zonosの手数料の3つに分けて考えてください。手数料は支払いの前にアプリで確認でき、試算の機能もあります。送る前に総額を見ておけば、想定外の出費に慌てることはありません。
制度が変わった直後は、情報が入り乱れて必要以上に不安になりがちです。けれども条件表を1行ずつ読んでいくと、対象になる荷物ははっきり線が引かれています。自分の荷物がどの行に当たるのかを確かめる。それだけで、Zonosとの付き合い方は決まります。
箱数が多い、手続きに時間を割けない、送れる品物か自信がない——そんなときは、まず送れるかどうかと費用の目安を確認しておくと安心です。
※相談は無料です。関税の扱いやサービス内容は公式サイトと問い合わせで最新の情報をご確認ください。
本記事は2026年10月5日時点で日本郵便とZonos社が公開している情報をもとに整理したものです。差出条件・対象国・手数料・アプリの画面は変更されることがあります。実際に発送される前には、必ず日本郵便の最新のお知らせとアプリ内の案内をご確認ください。


