こんにちは。セカイニオクル運営者のアキです。
オーストラリアへのレトルトカレー持ち込みについて調べていると、オーストラリアの食品持ち込み検疫や食品持ち込みルールが世界でもトップクラスに厳しい、という話をよく目にすると思います。オーストラリアの検疫は厳しいと言われる背景や、どこまでがOKでどこからがNGなのか、正直かなり分かりづらいですよね。
さらに、食品持ち込みの罰金や検疫違反のペナルティ、申告漏れの罰則といったワードを見ると、「もし間違えたらどうしよう…」と不安になるかなと思います。実際、肉や卵、乳製品が入った食品は特にチェックが厳しく、レトルトカレーも例外ではありません。
一方で、オーストラリアに持ち込める食品の一覧や持ち込み可能な食べ物、逆に持ち込み禁止の食品がどれなのかをきちんと整理しておけば、必要以上にビビる必要もありません。税関での食品申告方法や入国カードの食品の書き方、オーストラリアへの入国申告の英語のポイントまで押さえておけば、「これならレトルトカレーを持って行っても大丈夫だ」と自信を持って準備できるはずです。
この記事では、オーストラリアの食品持ち込み検疫の基本から、肉エキス入りカレーのリスク、持ち込みに向いたレトルトカレーの条件、具体的なおすすめ商品、そして罰金を避けるための実践的な対処法まで、私なりの視点でまとめていきます。あなたが安心してレトルトカレーをスーツケースに入れられるよう、一緒に整理していきましょう。
- この記事で分かること
- オーストラリアの食品検疫ルールと申告の基本
- 肉エキス入りレトルトカレーが危険視される理由
- 持ち込みやすい安全なレトルトカレーの選び方
- 罰金・没収を避けるための実践チェックポイント
オーストラリアにレトルトカレーを持ち込む際の注意点

ここではまず、オーストラリアにレトルトカレーを持ち込むときに必ず押さえておきたい「大前提」を整理します。食品検疫ルールと申告義務、肉エキス入りカレーの扱い、そしてそもそもどんなレトルトカレーなら持ち込める可能性が高いのかという、土台になる部分から見ていきましょう。
食品検疫ルールと申告義務の基本
オーストラリアに到着したら、まず全員が入国カード(Incoming Passenger Card)を書きます。このカードで「食べ物を持っていますか?」と聞かれたら、食品を1つでも持っているなら迷わずYESにチェックを入れるのが鉄則です。オーストラリアでは、食べ物や植物、動物製品を申告しないこと自体が法律違反になり、たとえ少量でも高額の罰金対象になることがあります。
オーストラリア政府(DAFF・ABF)は、「とにかく申告して、あとは検査官に判断してもらってね」というスタンスです。申告して検査を受けたうえで没収される分には、基本的に罰金は発生しません。一方で、未申告のまま持ち込みを試みてバレると、その場で数千豪ドル規模の罰金+ビザ取り消し+即日強制送還といったレベルのペナルティまであり得ます。
ポイントは、「持ち込めるかどうか」と「申告するかどうか」は別問題だということです。持ち込めないものを申告しても、最悪でも没収で終わり。一方、持ち込める可能性がある物でも、申告しなかった瞬間に“アウト”になってしまう。この感覚を先に押さえておくと、判断ミスを減らせます。
ここだけは絶対に守りたいポイント
- 食品が1つでもあれば入国カードはYESにチェック
- 「大丈夫そうだから未申告」はNG、必ず検査官に委ねる
- 不安ならそもそも持ち込まない、現地調達も選択肢
肉エキス入りカレーの持ち込みリスク
レトルトカレーで一番ややこしいのが、肉エキスや動物性原料が入っている商品です。カレーの具としてゴロッと肉が入っているタイプはもちろん、ひき肉・ミンチ、魚介、ラード・牛脂などの動物性油脂が目に見える形で入っている場合、旅行者が個人で持ち込むのはかなりハードルが高いと考えたほうがいいです。
最近は、レトルト食品のうち肉・卵・乳製品を含むレトルト(レトルトパウチ食品)に対して、追加の証明書や輸入条件を求める運用も強化されています。これは、商業輸入向けのルールがベースですが、旅行者の手荷物として入国するレトルト食品も、同じリスクカテゴリとして見られることが多いです。
問題になりやすいのは、次のようなパターンです。
- 成分表にビーフエキス・チキンエキス・ポークエキスなどが含まれている
- 乳等を主要原料とする食品(生クリーム、バターなど)が多く使われている
- 具材としてソーセージ・ハム・ミートボールが丸ごと入っている
これらは検査官の判断次第で没収になるだけでなく、未申告だった場合は高リスク品の違反として罰金対象になりやすいゾーンだと考えておいたほうが安全です。特に、肉や乳製品がらみの違反は、オーストラリアではかなりセンシティブに扱われています。
結論として、「少しだけ肉エキスが入っているから大丈夫でしょ」くらいの感覚で、肉系レトルトカレーを持ち込むのはかなり危険です。動物性成分が入ったカレーをオーストラリアに持ち込むなら、申告したうえで没収される覚悟をしておくか、そもそも持ち込まないほうが現実的だと私は考えています。
持ち込めるレトルトカレーの条件とは
では、どんなレトルトカレーならオーストラリアに持ち込める可能性が高いのか。私が実務的な観点で「比較的通しやすい」と感じている条件は、ざっくり次のとおりです。
- 完全に植物性(肉・魚介・卵・乳・蜂蜜を一切使っていない)
- 市販品で、未開封のレトルトパウチ(常温保存可能)
- 英語での原材料表記や商品名がある(または印刷物・写真で示せる)
- 賞味期限が十分に残っている(目安として半年以上)
- 個人消費レベルの少量(数袋〜数キロ程度)
オーストラリアの案内では、商業的に製造された市販品で、動物性原料を含まない加工食品は、比較的リスクの低いカテゴリーとして扱われています。とはいえ、スパイスに種子が含まれている場合など、グレーゾーンがゼロになるわけではありません。
そのため、私のおすすめは「完全ヴィーガンのレトルトカレー+必ず申告」です。動物性成分が一切入っていない商品であれば、検査官に成分表を見せながら「これは植物性のレトルトカレーです」と説明しやすく、没収リスクや疑われるリスクがかなり下がります。
オーストラリア全体の食品ルールや、レトルトカレー以外の食べ物もまとめて整理したい場合は、セカイニオクルでまとめているオーストラリアの食品持ち込み規制と送り方の解説記事も参考になると思います。
申告漏れによる罰金や処罰の可能性
一番怖いのは、「悪気はなかったけど申告し忘れた」パターンです。オーストラリアでは、意図の有無に関係なく、申告すべき食品を申告せずに持ち込もうとした時点で、その場で罰金+ビザ関連のペナルティが発生することがあります。
実際の運用例としては、
- 未申告の高リスク食品で約3,300豪ドルの罰金+ビザ取り消し
- 悪質と判断されたケースでは、さらに高額の民事罰(数十万豪ドル)まであり得る制度設計
といった形で、かなり厳しく運用されています。 最近の解説記事などでは、未申告の食品持ち込みに対して最大約6,260豪ドルの罰金が科されるケースもあると案内されており、金額は今後も制度改正で変動する可能性があります。
ここで大事なのは、「肉入りレトルトカレーを軽く考えて未申告で持ち込む=罰金リスクが高い行為」だということです。動物性成分が入ったカレーを持ち込みたいなら、「絶対に申告」「最悪没収OK」という覚悟がない限り、やめておいたほうが安全です。
このあたりの感覚は、同じセカイニオクルでまとめているカップラーメンの海外持ち込みガイド(オーストラリア編)でも詳しく書いていますが、オーストラリアは本当に別格で厳しいです。
オーストラリア税関での入国カード記入方法
入国カードの書き方で迷う人も多いので、レトルトカレーを想定した記入イメージを整理しておきます。
食品欄は必ずYESにチェック
入国カードには「食べ物・植物・動物製品を持っていますか?」という質問があります。レトルトカレーやお菓子、インスタント食品を1つでも持っているなら、迷わずYESにチェックしてください。
具体的な英語の書き方例
| 状況 | 英語での説明例 |
|---|---|
| 植物性レトルトカレーのみ | Vegetable retort curry, no meat, no dairy |
| ヴィーガンカレー数袋 | Vegan curry pouches for personal use |
| カレー以外にスナックもあり | Packaged snacks and vegetarian curry, commercially packed |
荷物検査で聞かれたときは、
- They are commercially packed vegan curry. No meat, no egg, no dairy.
- For personal use, just a few pouches.
といった形で、動物性成分が入っていないことと個人利用で少量であることをシンプルに伝えると、検査官も判断しやすくなります。
なお、長期滞在や海外赴任で持ち物全体を整理したい場合は、セカイニオクルの海外赴任で持っていくべき持ち物チェック記事も一緒に見ておくと、食品以外の準備もスムーズになると思います。
オーストラリア レトルトカレー 持ち込みに適した商品選び

ここからは、実際にどんなレトルトカレーを選べばいいのか、もう少し踏み込んで具体的に見ていきます。動物性不使用の商品例、Amazonで買いやすい製品、英語表記の工夫、グルテンフリーやアレルゲン対策、そして重量制限まで、実務的な目線で整理していきます。
動物性不使用のレトルトカレーおすすめ
オーストラリア向けにレトルトカレーを選ぶなら、私の結論は「動物性不使用(ヴィーガン)一択」です。肉や魚、卵、乳、蜂蜜などが入っていない商品であれば、検疫上のリスクがグッと下がりますし、宗教・アレルギーの観点からも安心度が高いです。
代表的なタイプは次のようなものです。
- 具材が野菜と豆だけのベジカレー
- 出汁が昆布・野菜エキスのみのカレー
- とろみ付けに米粉やコーンスターチを使ったグルテンフリーカレー
こうした商品は、パッケージに「プラントベース」「ヴィーガン」などの表示があることも多く、英語表記とセットで検査官に説明しやすいのがメリットです。
「動物性不使用+市販未開封+英語表記あり」のレトルトカレーなら、オーストラリア側から見てもリスクの低い食品として扱いやすく、旅行者にとっても最もストレスの少ない選択肢になります。
Amazonで購入できる安全な製品例
ここからは、日本のAmazonなどで入手しやすく、オーストラリア持ち込みにも比較的向いていると感じるレトルトカレーを、具体的に紹介していきます。(価格や在庫状況は変わるので、あくまで目安として見てください。)
カゴメ「3種豆のベジタブルカレー」
カゴメのプラントベースシリーズの一つで、赤いんげん豆・白いんげん豆・ひよこ豆の三種の豆に、野菜の旨味を合わせたレトルトカレーです。肉・魚・卵・乳製品不使用の植物性カレーで、動物性エキスも入っていない点がポイントです。
- 内容量:1袋170g前後(1人分にちょうどいい量)
- 賞味期限:製造から約2年(未開封・常温保存)
- 価格帯:5袋セットで数百〜千円台前半程度(1食あたり200〜300円前後が目安)
パウチが薄くて軽く、スーツケースの隙間に挟みやすいのもメリットです。英語の商品名や原材料表記も併記されていることが多く、検査官に説明しやすいタイプのレトルトだと感じます。
大塚食品「ボンカレーベジ」シリーズ
「ボンカレー」ブランドの中でも、動物性原料不使用なのがボンカレーベジシリーズです。ビーンズキーマカレー(中辛)やスパイシートマトカレー(辛口)などがあり、どれも肉・魚介・卵・乳製品は使われていません。
- 内容量:1袋180g(しっかり食べ応えあり)
- 小麦粉不使用でグルテンフリーの商品もあり
- 賞味期限:1年半〜2年程度(未開封)
電子レンジで袋のまま温められるタイプなので、オーストラリア滞在先に電子レンジがあれば、洗い物を増やさずサッと食べられるのも嬉しいところです。
風と光「有機ヴィーガンレトルトカレー」シリーズ
有機原料にこだわる人におすすめなのが、風と光の「有機ヴィーガンレトルトカレー」シリーズです。野菜カレー・豆カレーなどがあり、
- 有機野菜・有機豆を使用
- 動物性原料・化学調味料・保存料不使用
- 米粉と植物性素材でとろみ付け(グルテンフリー)
といった、こだわり仕様になっています。その分、1食あたりの価格はやや高めですが、「せっかくオーストラリアで食べるなら、素材にもこだわりたい」という人にはぴったりです。
どの商品にも共通しますが、成分・賞味期限・パッケージ仕様はメーカーの変更やリニューアルで変わる可能性があります。購入前には必ず最新の商品ページやパッケージをチェックしてください。
英語表記の重要性と検疫対策
検疫でスムーズに通過するための地味だけど重要なポイントが、英語で成分が分かるようにしておくことです。
英語成分表付きの商品を優先する
最近の大手メーカー商品は、裏面に英語の原材料表示やアレルゲン表示が載っていることも増えてきました。こうした商品なら、検査官にパッケージを見せるだけで「This is a vegan curry. No meat, no dairy, no egg.」とすぐ理解してもらえます。
日本語パッケージしかない場合の工夫
日本語表記しかない場合は、
- 商品ページを英語表示で印刷しておく
- 自分で簡単な英訳メモを作って一緒に持参する
- スマホに商品ページのスクリーンショットを保存しておく(オフラインでも見られるように)
などの工夫をしておくと安心です。
例えば、紙に「Ingredients: vegetables, beans, tomato, spices. No meat, no fish, no egg, no dairy.」と書いておくだけでも、検査官にはかなり伝わりやすくなります。
グルテンフリーやアレルゲン対策商品
最近は、小麦や乳製品などのアレルゲンを避けたい人向けのグルテンフリー・アレルゲン配慮カレーも増えています。「動物性不使用」+「主要アレルゲンも控えめ」な商品は、体質的に安心なだけでなく、検疫の観点でも「加工度が高く安全な食品」として受け取られやすい印象があります。
チェックしておきたいポイント
- 小麦粉ではなく米粉やコーンスターチでとろみをつけているか
- 乳・卵・ナッツ・ゴマなどを不使用または最小限にしているか
- アレルゲン表示が分かりやすく明記されているか
特にアレルギー持ちの人にとっては、「万が一現地で代わりのカレーが見つからないと困る」ことも多いので、自分の体に合うレトルトカレーを日本で見つけておき、必要な数だけ持ち込むのは賢い戦略だと思います。
ただし、健康面・アレルギー情報はあくまでメーカーの表示に基づく一般的な目安であり、個々人の体質や症状によって合う・合わないが変わります。心配な場合は、必ず主治医や専門の医療機関に相談したうえで判断してください。
持ち込み可能な食品の重量と数量制限
最後に、意外と見落としがちな「どれくらいの量までなら持ち込めるのか?」という話も整理しておきます。
目安は「個人利用の範囲」+10kgライン
オーストラリアの案内では、多くの加工食品・飲料について、個人利用の場合は1人あたり10kg程度までを上限にしているケースがよくあります(チョコレートやジュース、コーヒーなど)。
レトルトカレーだけで10kg持っていく人はほぼいないと思うので、現実的には「数食〜10数食分」くらいなら、重量的な意味で問題になるケースは少ないはずです。ただし、
- スーツケース+手荷物の総重量制限(航空会社)
- 他の食品や荷物と合わせたトータルの重さ
は普通にネックになってきます。重さが気になる場合は、カレーの量を絞るか、現地のスーパーで補う前提で計画したほうが安心です。
| 例 | おおよその重量 |
|---|---|
| レトルトカレー180g×5袋 | 約1kg(パッケージ込み) |
| レトルトカレー180g×10袋 | 約2kg |
| 他の食品(スナックなど)を合わせる | 全体で3〜5kg程度になりやすい |
※あくまで一般的な目安です。実際の重量は商品ごとに異なります。
数量に関しては、「個人で消費するには不自然なレベルの大量持ち込み」でなければ、基本的には大きな問題になりにくい印象です。ただし、規制や判断基準は変更される可能性があるので、必ず最新情報を公式サイト(ABF・DAFFやBICON)で確認してください。
オーストラリア レトルトカレー 持ち込みのまとめと安全な対処法
最後に、オーストラリアへのレトルトカレー持ち込みについて、押さえておきたいポイントをもう一度整理しておきます。
- 肉・卵・乳製品など動物性成分入りのレトルトカレーは、高リスクゾーンで、未申告で持ち込むと罰金やビザ取り消しの可能性すらある
- オーストラリア レトルトカレー持ち込みで安全を重視するなら、完全植物性(ヴィーガン)のカレーを選ぶのがベスト
- 入国カードでは必ず食品欄をYESにして、検査官に英語で説明できるよう準備しておく
- 量は個人利用の範囲+数kg程度にとどめ、重量オーバーや「商業目的」と見なされるような極端な量は避ける
私の結論はシンプルです。「動物性成分のないヴィーガンレトルトカレーを少量だけ持ち込み、必ず申告する」。これが、罰金リスクと検疫ストレスを最小限にしつつ、日本の味をオーストラリアで楽しむ一番安心な方法だと思っています。
この記事で紹介した内容は、最新の公式情報や一般的な運用をもとにした「あくまで一般的な目安」です。実際のルールや罰金額、持ち込み条件は、制度改正や情勢によって変更されることがあります。必ず、オーストラリア政府の公式サイト(Australian Border Force、DAFF、BICONなど)で最新情報を確認し、最終的な判断はあなた自身の責任で行ってください。
不安が大きい場合や、どうしても肉入りカレーなどグレーな商品を持ち込みたい場合は、専門の輸送業者や公式窓口に相談するのも賢い選択肢です。しっかり準備して、オーストラリアでの生活や旅行を、安心してスタートしてもらえたら嬉しいです。

