日本からアメリカに送れるもの:調査レポート(2025年11月版)
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日本からアメリカへの国際配送は、2025年8月以降大きく変化しました。
日本郵便は100ドル以上の商品配送を一時停止しており、リチウムバッテリー付き電子機器の航空便にも制限があります。
本レポートでは、6つの主要配送業者(日本郵便EMS、FedEx、DHL、ヤマト運輸、UPS、ポチロジ)と、食品、電子機器、衣類、スポーツ用品、化粧品、医薬品、その他特殊品目の配送規制について、米国の連邦機関(FDA、USDA、CBP)および州法の要件を含め、徹底的に調査しました。
目次
アメリカに送れるもの:概要
🧭 制度変更と全体の注意点
| 項目 | 内容 |
|---|
| 主要変更点 | 2025年8月29日以降、米国で「低額荷物免税制度(de minimis)」がほぼ廃止。すべての国からの荷物に関税・通関手続きが発生する可能性。 |
| 日本郵便の対応 | 米国向け郵便物(商用・販売目的/贈与品でも申告価値100 ドル超)の受付を一時停止。(post.japanpost.jp) |
| 対象時期 | 2025年8月29日施行(日本郵便は同日より実施)。 |
| 影響範囲 | EMS・航空便を含むすべての米国宛国際郵便/FedEx・DHL・UPS等も通関書類提出義務強化。 |
| 推奨対応 | 「申告価値100 ドル以下」「個人使用・贈答目的」を明確化し、英語インボイス・成分表示を添付する。 |
アメリカに送れるものカテゴリ別レポート
🍜 食品カテゴリ
| 区分 | 内容 |
|---|
| 送れるもの(低リスク) | インスタントラーメン(肉エキス不使用)、スナック菓子、チョコ・クッキー類、醤油・味噌・みりん等(加熱済み)、海苔・昆布・鰹節等の乾物、緑茶・ほうじ茶などの茶葉、商業滅菌済みレトルト・缶詰。 |
| 送れないもの(高リスク) | 肉製品全般(牛・豚・鶏・肉エキス含むスープ等)、未加工米、生鮮果物・野菜、乳製品(牛乳・クリーム)、肉エキス含む加工品。 |
| 条件付き可否(グレーゾーン) | 商業包装済み米加工品(レトルトご飯等)、チーズ等の乳製品(登録施設製造なら可)、肉エキス微量含有製品(実務上不可リスク高)。 |
| 米国側規制 | – FDA:Prior Notice(商業輸入時必要)/英語ラベル必須 – USDA(FSIS/APHIS):肉製品・果実・植物の輸入規制/日本産肉は未承認 – CBP:2025年以降は免税適用除外(800ドルルール撤廃) |
配送会社別対応
| 会社 | 対応状況 |
|---|
| 日本郵便 | ✅ 加工食品可(肉・果物成分なし)/⚠️ 100ドル超受付停止 |
| ヤマト運輸 | ❌ 食品全般不可 |
| FedEx | ✅ FDA規制順守で可(Prior Notice必要) |
| DHL | ✅ 制限付き可(要FDA書類) |
| UPS | ✅ 商業目的は追加書類要 |
| ポチロジ | ✅ 書類代行あり(FDA/USDA対応) |
🔋 電子機器・リチウム電池製品
| 区分 | 内容 |
|---|
| 送れるもの(低リスク) | スマートフォン(10–20 Wh)、ノートPC(40–100 Wh)、ゲーム機(Switch等)、機器内蔵リチウム電池(UN 3481 Section II)。 |
| 送れないもの(高リスク) | 単体バッテリー(UN 3480/UN 3090)、モバイルバッテリー、損傷・リコール品、100 Wh超バッテリー。 |
| 条件付き可否(グレーゾーン) | 100–160 Wh機器(危険物申告で可)、複数バッテリー付属品(梱包制限あり)。 |
| IATA基準(2025年版) | UN 3481=機器内蔵電池(可)/UN 3480=単体電池(貨物機限定)/容量上限100 Wh/SoC最大30%。 |
配送会社別対応
| 会社 | 対応状況 |
|---|
| 日本郵便 | ⚠️ 船便のみ/航空便不可(米国宛) |
| ヤマト運輸 | ❌ 電池付き機器不可 |
| FedEx | ✅ Section I/II可(事前承認要) |
| DHL | ✅ Section II可(危険物契約必要) |
| UPS | ✅ Section I/II可(UN 38.3試験書必要) |
| ポチロジ | ⚠️ 提携キャリア(DHL/FedEx)規定準拠 |
👕 衣類・ブランド品・スポーツ用品
| 区分 | 内容 |
|---|
| 送れるもの(低リスク) | 一般衣類、靴、着物、ブランドバッグ(正規証明付き)。 |
| 送れないもの(高リスク) | 犬・猫の毛皮製品、偽造ブランド品。 |
| 条件付き可否 | 高額品・複数量は商業輸入扱いの可能性。Prop 65対象物質を含む製品は警告表示義務。 |
| 州ごとの注意 | カリフォルニア州(Prop 65)、ハワイ州(農産検疫強化)、フロリダ州(柑橘類制限)。 |
| 配送会社別対応 | 全キャリアで発送可。商業数量・高額品は関税・書類追加。 |
| 関税情報 | 低額品も2025年以降は免税対象外。 |
🧴 化粧品・医薬品・サプリメント
| 区分 | 内容 |
|---|
| 送れるもの(低リスク) | スキンケア・メイク用品、香水(引火性制限に注意)、一般化粧品(MoCRA対象外)。 |
| 送れないもの(高リスク) | 医師処方薬、未承認医薬品、引火性スプレー類。 |
| 条件付き可否 | 日焼け止め(OTC医薬品扱いの可能性あり)、市販薬(個人使用90日分程度可)、サプリメント(成分表示義務)。 |
| 米国側規制 | – FDA:化粧品MoCRA法、OTC医薬品登録、食品扱いサプリ規制 – CBP:処方薬は証明書必要/大量は拒否対象 |
配送会社別対応
| 会社 | 対応状況 |
|---|
| 日本郵便 | ⚠️ 書類要(医薬品・化粧品区分あり) |
| ヤマト運輸 | ❌ 医薬品不可 |
| FedEx | ⚠️ FDA登録書類必要 |
| DHL | ⚠️ 医薬品・サプリ制限付き |
| UPS | ⚠️ FDA手続き要 |
| ポチロジ | ⚠️ 書類代行可 |
ポチロジがコストを抑えつつ利用しやすい理由
出典:ポチロジ公式
ポチロジは、中古車輸出で有名な企業が運営している国際発送サービスで、物流のプロが個人向けの荷物にも対応してくれるタイプのサービスです。アメリカに荷物を送る場合、「自分や家族が日本で商品を買って、倉庫に送る」という前提があるなら、コスパという意味ではかなり魅力的な選択肢になります。
ポチロジの特徴
- 自分で用意した荷物を倉庫に送ると、そこから先を丸ごと代行してくれる
- 発送前に写真とリストを基に禁制品チェックをしてくれる
- 重量が重くなるほど、他社より送料が抑えられやすい
- 担当者とやり取りしながら進められるので、不安な点を相談しやすい
特に、発送前の禁制品チェックは大きな安心材料です。「このカップ麺は送れる?」「このお菓子は大丈夫?」といった素朴な疑問も、写真に撮ってリストと一緒に確認してもらえるので、税関での没収リスクをだいぶ減らせます。
こんな人に向いている
ポチロジは、次のような人にぴったりです。
- 日本にいる家族に「これとこれを買って送って」と頼める
- 自分で商品を選びたいけれど、書類や禁制品チェックはプロに任せたい
- 5kg〜10kg以上の食品をまとめて送りたい
- コストを抑えつつ、安全性も確保したい
逆に言うと、「日本に頼める人がいない」「自分で商品を用意するのが難しい」という場合は、三田天喜堂のような通販一体型サービスのほうが向いています。
🍶 アルコール・タバコ
| 区分 | 内容 |
|---|
| アルコール | 個人使用での発送は事実上不可。FedEx/USPS禁止、UPS/DHLは契約制。 |
| タバコ/電子タバコ | FedEx/UPS/DHLすべて個人宛配送不可。ライセンス必須。 |
配送会社別対応
| 会社 | 対応状況 |
|---|
| 日本郵便 | ⚠️ 条件付き許可(100ドル超停止/国際通常便のみ) |
| ヤマト運輸 | ❌ 禁止 |
| FedEx | ❌ 禁止 |
| DHL | ⚠️ 契約ベース(免許業者間のみ) |
| UPS | ⚠️ 契約ベース(ワインのみ一部許可) |
| ポチロジ | ⚠️ 条件付き可(商業契約または倉庫経由のみ) |
🔪 刃物・工具・装飾刀
| 区分 | 内容 |
|---|
| 送れるもの(条件付き) | 包丁・ナイフ(実用目的/州法許可州)。 |
| 送れないもの | スイッチブレード、バタフライナイフ、重力ナイフ等。 |
| 注意事項 | 州法で規制内容が異なる。刃先保護梱包必須。外装に「刃物」記載不要。 |
| 関税率 | 日本製包丁 約6.1%。 |
| 配送会社 | 全キャリア条件付き可(危険物・武器扱い除外品に限る)。 |
🌱 植物・種子・土壌
| 区分 | 内容 |
|---|
| 送れるもの(条件付き) | 裸根植物12株以内(APHIS許可+検疫証明書あり)。 |
| 送れないもの | 土壌・培地付き植物、柑橘種子、竹類、落花生、寄生植物。 |
| 必要書類 | 日本側:植物検疫証明書/米国側:APHIS PPQ587許可証。 |
| 注意 | 植物防疫法・米国農務省規定により返送・廃棄リスク高。 |
🚚 アメリカに送れるもの|配送会社総合比較(2025年11月時点)
| 項目 | 日本郵便 | ヤマト運輸 | FedEx | DHL | UPS | ポチロジ |
|---|
| 100 ドル超荷物 | ❌ 一時停止中(商用・販売目的含む) | ✅ 可 | ✅ 可 | ✅ 可 | ✅ 可 | ✅ 可 |
| 食品 | ✅ 100 ドル以下可 | ❌ | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ |
| 電子機器(内蔵電池) | ⚠️ 船便のみ | ❌ | ✅ | ✅ | ✅ | ⚠️ |
| 単体バッテリー | ❌ | ❌ | ⚠️ 事前承認 | ⚠️ | ⚠️ | ⚠️ |
| アルコール | ❌ | ❌ | ❌ | ⚠️ 契約制 | ⚠️ 契約制 | ⚠️ 限定的 |
| 医薬品/サプリ | ⚠️ 書類必要 | ❌ | ⚠️ FDA書類必要 | ⚠️ | ⚠️ | ⚠️ |
| 刃物 | ⚠️ 条件付き | ❌ | ⚠️ 可 | ⚠️ 可 | ⚠️ 可 | ⚠️ |
| 植物・種子 | ❌ | ❌ | ⚠️ 書類要 | ⚠️ | ⚠️ | ⚠️ |
| 大型品 | ⚠️ 1.5 m制限 | ✅ 300 cmまで | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ 大型特化 |
🪄 アメリカに送れるもの|送付可能性まとめ
| リスク区分 | 品目例 | 状況 |
|---|
| ✅ 低リスク(確実に送れる) | お茶、乾物、調味料、スナック菓子、一般衣類、ゲーム機(100 Wh以下)、化粧品、サプリメント | 安全範囲内・要正確申告 |
| ⚠️ 中リスク(条件付き可) | 市販薬、日焼け止め、包丁、ブランド品、100–160 Wh電子機器、サーフボード、米加工品、少量乳製品 | 事前確認・書類要 |
| ❌ 高リスク(ほぼ不可) | 肉製品、単体電池、アルコール、タバコ、生鮮果物、未加工米、処方薬、偽造品、毛皮製品 | ほぼ輸送不可・罰則対象 |
📑 アメリカに送れるもの|発送前チェックリスト
| 項目 | 内容 |
|---|
| 内容物・価格の正確申告 | 虚偽申告は罰則対象。 |
| 米国側規制確認 | FDA/USDA/CBPの最新情報を確認。 |
| 州法確認 | CA・HIなどの追加規制あり。 |
| 書類準備 | 英語インボイス・成分表示・製造者情報必須。 |
| 保険・追跡 | 高価品は保険付配送推奨。 |
| 梱包・安全対策 | 電池短絡防止・刃先保護等。 |
| 日程余裕 | 通関遅延を想定して発送。 |
📅 更新情報(2025年11月9日時点)
| 情報源 | 内容 |
|---|
| 日本郵便公式発表 | 2025年8月29日以降、米国向け郵便で申告価値100 ドル超・販売目的荷物の受付停止。 |
| EY・PwCレポート | 米国でde minimis制度(800 ドル免税)廃止の方向。 |
| [FDA / USDA / CBP 各公式サイト] | 食品・医薬品・植物・電池等の輸入規制最新情報を随時更新中。 |
| [IATA危険物規制書 2025年版] | リチウム電池UN番号・容量・梱包基準を改定。 |
